アップルジンジャーの簡単保育解説~初級編~

アップルジンジャーによる保育解説。保育士や保育業界について”出来るだけわかりやすく簡単に”解説します。あくまでも初級編なのでここで解説した保育のことは時間のある時に改めて勉強してみてくださいね!

休園でどうなる保育園と保育士

 

◆ 緊急事態宣言発動による保育園事情

 

新型コロナウィルス拡大に伴い、小・中学校や高校などは休校措置を取るものの、保育園は原則として開園ということで色々と物議を醸しだしていましたが、今回「緊急事態宣言」の発令で保育園はどのようになったのかをアップルジンジャーが解説していきます。

 

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◆東京23区内の保育園対応は

 

今回の緊急事態宣言を受けて、いち早く渋谷区は保育園の休園方針を発表しました。その後、保育園の休園方針を打ち出す自治体も増え、4月9日現在では以下のようになりました。

 

東京23区保育園休園状況

 

※ 出展=HUFFPOSTより

 

 

自粛要請・・・

保育園は開園しているが、在宅ワークや育児休暇等で、出社していない保護者には家庭保育を依頼し登園を控えてもらうことを各自治体が保育園を通じて保護者に書面で協力をお願いをする。

 

 

原則休園・・・

「認可園」を中心に保育園を休園する措置。ただし完全休園ではなく自治体によっては必要な職種等を選別する形で該当家庭のみを預かる対応(特別緊急保育)や年度末保育のように開園する保育園を少数に絞って保育園を開園することで登園を制限する措置。

 

緊急特別保育・・・

18歳未満を除く世帯全員が主に「消防・警察・医療関係者、食料品や薬販売」などの仕事によって出勤しなければいけない場合に本当に必要な日にち・時間帯で預かりを実施する保育。東京都足立区などでは書面の提出を義務付けており、その証明書を提出しなければ預けることが出来ないという独自規定を設けることで本当に必要な家庭のみを預かるようにしている。

 

 

◆当初の登園自粛は「保育園の受け入れ体制支援」だった。

 

実は当初、登園自粛については「保育園・学童施設」を利用している保育士が家庭保育に回る都合で保育園を休まなければいけない事態になった際、保育園側の職員が手薄になることを想定して各園ごとに登園自粛をお願いしていた。その後自治体からも各家庭に協力願いを打ち出し、、、それからかなり遅れてだが加藤厚生労働大臣が改めて各家庭に登園自粛を公に発言した経緯があった。

 

この時、あっぷるジンジャーの2人は・・・

 

保育園登園自粛を厚労省がお願い

 

現場の保育士からの不満を代弁する形でTwitterで発信をしていました。

 

 

◆ 保育園が休園になったら保育士はどうなる!?

 

 

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※上述の記載は全ての保育園が該当するわけではありません。

4月9日時点で休園ならびに職員に在宅ワークを実施させた多くの保育園で実施された主な対応例です。

 

 

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ここで問題となってくるのが「認可園」と「それ以外の保育園」による違いです。

 

 

・認可園の運営管理費

認可園は各自治体が窓口となっているので入園料等は発生しておらず、東京23区に限っていえば開園間もない幼児クラス以外は多くの保育園で定員は全て埋まっています。

 

認可園では定員数と在園数に応じて運営管理費が支給されており、子どもが休園扱い中でも運営管理費は通常通り入ってきます。東京23区では保育料無償化前は両親共働き世帯での平均保育料は月額12,000~25,000円以内。

 

100名規模の認可園で運営管理費は1.3憶~2憶園程度で、主な運営管理費は補助金で運営されています。

 

 

・認可外の運営管理費

基本的には定員が埋まっていない分は保育料が入ってきません。保護者と保育園が直接契約となっており、補助金も認可園程入ってきませんし、完全な認可外保育園は月額5万~16万円程度の保育料が主な運営管理費になります。また運営主体が株式会社が多い為、社会福祉法人などと比べると税制優遇がなく休園や入園事態に繋がると、経営面では大きな打撃に繋がります。

 

 

 

自治体の運営管理費の補償が鍵

 

4月8日の現時点でだいすけが関連する自治体の保育課からは「現時点で」認可保育園に対して休園に伴う運営管理費の減額は今のところ考えていないとの確認が取れました。

 

では地域認定保育園や認可外ではどうなるのか。もし自治体がこれらの施設にも「休園決定」をしたのであれば自治体と事業者との間で補償についての話があるかもしれません。しかし「自粛要請」であれば国の対応と同じで休業補償はありませんので「運営危機」に繋がる可能性があります。その場合には「開園」を選択しても問題はありません。

 

ですが、ここであっぷるジンジャーの2人からお願いをしたいのが・・・

 

「認証園を含む地域認定保育園や認可外保育園はそれだけ十分な補助を受けておらず休園を選択することで倒産する可能性が発生するので開園したからと言って責めないで欲しい」

 

ということです。

 

もし保育園が倒産したら、コロナが落ち着いた時にそこで働く保育士だけでなく、そこで預かってもらっていた子どもたちも行き場所がなくなることになります。

 

開園を決断する保育園にも相当な覚悟と、開園時の衛生管理の徹底といった対応に追われることになることをご理解ください。

 

また認可園でも開園している保育士は医療従事者ほどのリスクはないにしても、通常以上に衛生管理の徹底を図りつつ、感染する可能性も多い中、覚悟を持って働いていることもご理解いただけると大変嬉しいです。

 

※手洗いや消毒の徹底で手がかなり荒れてしまっている保育士さん・・・少なくないですよね★

 

 

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今回は状況が状況ですので真面目な保育解説となります。