上記。つるの剛士さんのTwitterを受けて多くの保育関係者が今回の保育士試験の受験資格で高卒では受験できないことに対して意見が寄せられました。そしてその後、つるの剛士さんは・・・
このTwitter!!
仕方ないとか。ただ諦めるとかではなく『どうしてそういう理由なのか』と疑問を持たれたことに、あっぷるジンジャーは凄く感銘を受けました☆彡
保育士資格の受験資格ってみんな当たり前のように理解していますが、実は今回のつるの剛士さんのように疑問を持つ保育士さんってあまりいなかったですよね。
では、どうして保育士試験において高卒はNGなのか。今回はちょっと専門的にオリジナルの図表も使って解説していきます。
★ 保育士試験の歴史を振り返る
まずは保育士資格の歴史を図表で見ていきましょう。
実は保育士資格って平成3年以降、大きく受験資格は変わっていません。
(児童福祉施設の部分が地域認定保育施設でもOKになったくらいです。)
ここでポイントになっているのが④の『養成校と保母試験の資質の差をなくす為』というキーワードです。
★ 昭和63年の保育士資格の背景について
ここからは、厚生労働省の子ども家庭局からの内容を交えまして…
1、中央児童審議会保育対策部会において「保母試験制度の改正について (意見具申)」がまとめられる。
2、昭和24年は保母試験組が98%だったのに対し、昭和61年では保母試験組は9.8%となり養成校が主要な役割を担っている。
3、上述のように保母の養成・確保体制が整備されたことから,かつてのように保母の絶対数が不足するという状況は解消されるに至っており・・・一方、保母資格取得者においては、今後保育所の役割はますます重要になると考えられ、毎日長時間にわた り乳幼児の人間形成に携わる保母については、より一層の資質向上を図ることが大きな課題となっている。
この結果・・・保母養成施設と保母試験制度の均衡を図ることが重要と考えるようになったそうです。
(これが今回のテーマの答えです★)
★ そして・・・こうなった。
1、保母養成施設は厚生大臣の指定する専門的な大学、短期大学等である。
→保母養成校=短大以上が条件である。
2、保母資格を取得するためには、 高校卒業後2年以上の期間、厚生大臣の指定する教科目の単位を取得して卒業することが必要条件となっており,これらの指定科目の単位数(68単位)は、短期大学の卒業に要する単位数(62単位) を上回るものとなっている。その際には、児童福祉における実務経験を有する者についても十分配慮することが必要。
→保母試験組についても短大卒と同じ程度の学修を必要と変更。高卒の場合は一定の実務経験があれば受験してもOK!
(それが2880時間ってやつですね)
3、でも急に制度を全て変えるというのはどうかと思う・・・。
→だから高卒でも制度が変わる以前の、平成3年3月31日以前であれば受験資格がある。
これが現在の保育士資格の受験資格に適用されているということです☆彡
・・・そうだったのかぁ。
★ 国家試験は廃止の可能性もあった!?
で、ちょっとおまけの話なんですが、、、この昭和63年の中央児童審議会保育対策部会ってやつでは「保母試験は廃止で全部養成校でいいのでは??」という意見もありました。
つまり、幼稚園教諭や小学校教諭のように学校でしっかり教育させることで資格を取らせようとする考えですね。
(確かにこうすることで、資格の価値や保育士の地位は上がりますよね。。。『だいすけの意見』より)
しかし・・・『保母養成施設の学生以外にも資格取得の機会を与えることで、児童の保育に情熱を持つ有為の人材を確保することに意義も認められる』
ということで現在も保育士国家試験は存続になっているのです☆彡
・・・もっと厳しくなるとこだったじゃん。
★ 保育士試験の受験資格まとめ
① 昔は高卒OKでほとんどが試験組だった。
② 昭和63年に保育士資格(保母資格)の見直しがあり、養成校組が9割だったことで、試験組も高卒ではなく短大卒程度に引き上げた。
(保育士の質を上げようとする意図があった。)
③ 実は国家試験は廃止の危機もあった。
こうやって歴史の背景をみると今は保育士不足により制度の緩和が進んでいるのに、昔は『保育士が足りている』と表現されて資格取得のハードルをあげていたんだね。
そして・・・しつこいくらいに「保育士」ではなく「保母」という表現も違和感でした☆彡
でも。。。今回はオリジナルの図表を作ったり、だいすけ得意分野の厚労省や保育士養成協議会といった機関からの情報をもとに解説したけれど、、、実際の所、保育士養成校時代にこのような保育士資格の歴史や時代背景なんて習っていないので、このことを知らない保育士さんって沢山いたと思いますよ(*^▽^*)
私たちも今回は改めてよい勉強になりました。
もし何か気になること等がありましたらお気軽ご連絡くださいね☆彡
※つるの剛士さん・・・本当に素敵な考え方をありがとうございました。
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